
是枝裕和監督作品「万引き家族」がカンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞しました。
前回の作品「三度目の殺人」でも受賞を期待されていましたが、残念ながら逃していただけに今回の受賞は満を持しての受賞になります。個人的にも「万引き家族」は楽しみにしている映画なので、公開前にこのような栄誉ある賞に輝き、本当にうれしいと思っています。
今回は是枝裕和監督のプロフィールや過去作について紹介し、特に見るならこれ!!という作品をピックアップしていきたいと思います。
是枝裕和監督のプロフィール
本名:是枝裕和
生年月日:1962年6月6日(55歳)
出身地:東京都練馬区
卒業校:東京都立武蔵高等学校卒業、早稲田大学第一文学部文芸学科卒業
1987年に大学卒業後、テレビマンユニオンへ入社。ドキュメンタリー番組の演出を手掛け、その後、1995年に『幻の光』で映画監督デビューしている。
代表作品として『誰も知らない』『そして父になる』『三度目の殺人』などがある。映画自体の評価もさることながら、主演男優賞や審査員賞などの賞も受賞しており、国内外でも高い評価を受ける映画監督として知られている。
また各作品ごとで子役を採用することが多く、子役の撮影手法や演出に対する評価には定評がある。
是枝裕和監督の過去作品は?
是枝裕和監督作品は以下の作品があります。要所要所で話題となっている作品も多いので、知っている作品も多いのではないでしょうか?
幻の光(1995年)
ワンダフルライフ(1999年)
DISTANCE(2001年)
誰も知らない(2004年)
花よりもなほ(2006年)
歩いても 歩いても(2008年)
大丈夫であるように -Cocco 終らない旅-(2008年) - 2015年に再上映
空気人形(2009年)
奇跡(2011年)
そして父になる(2013年)
海街diary(2015年)
海よりもまだ深く(2016年)
三度目の殺人(2017年)
万引き家族(2018年)
十年 Ten Years Japan(2018年秋公開予定)
この中でも特に話題となったのは『誰も知らない』『そして父になる』『海街diary』『三度目の殺人』です。
『誰も知らない』では柳楽優弥さんが第57回カンヌ国際映画祭で最優秀男優賞を受賞し大きな話題となりました。
『そして父になる』では福山雅治さんが父親役を演じることで話題となった上に第66回カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞したことで更なる話題を呼んでいます。
『海街diary』では綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すずが4姉妹を演じることで話題を呼んでいました。
『三度目の殺人』では再び福山雅治さんが主演するとともに、供述を二転三転と変える不思議な容疑者を役所広司、親を殺されながらも容疑者をかばおうとする意味深な役どころを広瀬すずが好演。
映画のオチも観客にモヤモヤと考えさせる終わり方だったため大きな話題となりました。
また『三度目の殺人』ではカンヌ国際映画祭にノミネートされていたものの賞を取り逃したことでも話題となっていましたため、今回の受賞は本当にうれしい結果となったと思います。
是枝裕和監督作品の常連キャスト
しっかりと作りこまれたストーリー性で観客を引き込む是枝裕和監督作品ですが、常連と呼ばれるキャストが何人かいます。是枝裕和監督作品を語る上で避けては通れないキャストとなりますので、まずはこの方たちが出ている作品をチェックするといいかもしれません。
リリー・フランキー
是枝監督作品を語る上でまず避けて通れないのはリリー・フランキーさん!今回の万引き家族にも父親役として出演されています。
リリー・フランキーは『そして父になる』の出演を機に毎回といっていいほど是枝監督作品に出演されていて、もはや常連と言っていいほどです。
出演作品は『そして父になる』『海街diary』『海よりもまだ深く』『万引き家族』と『三度目の殺人』以外のすべての作品に出演されているので、今回は出ていないのか?とチェックしてしまう俳優の一人です。
ちなみに『三度目の殺人』では吉田鋼太郎さんが出演されており、リリー・フランキーの予定がつかなかったことによる代役では?なんていう憶測が飛んでいました。
ネットでもリリー・フランキーと吉田鋼太郎が似すぎていて見分けがつかない!!ということでも話題になるぐらいでしたので、もともとリリー・フランキーをキャストしようとしていたのではないかと言われています。
今回の『万引き家族』では大黒柱となる父親役。万引き家族の主犯とも言える役を演じています。リリー・フランキーの味のある演技で映画を盛り立ててくれること間違いなしです。
出演作品
『そして父になる』
『海街diary』
『海よりもまだ深く』
『万引き家族』
樹木希林
樹木希林さんも是枝監督作品を語る上では欠かせません。実はリリー・フランキーよりも前から常連で『奇跡』以降毎回出演されています。リリー・フランキーと同じく『三度目の殺人』には出演されていませんが、こちらは作品の特性上、キャストも少ないので仕方なかったかもしれませんね。
樹木希林さんと言えば内田裕也さんとの年に2回しか会わず会ったときは保険の話しかしない。というエピソードでも有名ですが、キャリアが長くはっきりとした物言いで子供を見守る祖母役をやらせたらピカ一のため、今回の万引き家族でも物言いに注目したいと思います。
出演作品
『奇跡』
『そして父になる』
『海街diary』
『海よりもまだ深く』
『万引き家族』
寺島進
是枝監督作品が有名になる前の作品で毎回のようにレギュラー出演しているのが寺島進さん。
初期作品には毎回出演されており、2009年公開の『空気人形』まではレギュラーでした。
その後の『奇跡』からは出演されておらず、その代わりにリリー・フランキーさんが出演されていることからこのあたりで是枝監督作品のキャストに大きな転機が訪れたと考えられます。
出演作品
『ワンダフルライフ』
『DISTANCE』
『誰も知らない』
『花よりもなほ』
『歩いても 歩いても』
『大丈夫であるように -Cocco 終らない旅-』
『空気人形』
井浦新
寺島進さんと同じく初期作品に出演されている井浦新さん。寺島進さんほどではありませんが、初期作品では常連となっています。まだ井浦新と芸名を改める前のARATA名義で出演されている時代で貴重な映画出演となっています。
井浦新さんの演技には定評がありますし、初期には演技力が高い俳優さんを多く採用していた印象です。特に『ワンダフルライフ』『DISTANCE』と初期2作品で主演に採用されていたことから、井浦新さんの演技力や力を大きく買っていたのだと思います。
出演作品
『ワンダフルライフ』
『DISTANCE』
『空気人形』
『そして父になる』
上記の常連の方々以外にも福山雅治さんや広瀬すずさん、長澤まさみさんなどは2作品に出演されていたりと多くの俳優さんが是枝監督作品に2回以上出演されていることが多いようです。
やはり1度一緒に映画を作った際に是枝監督の伝えたいものを伝えてくれる俳優さんには2回以上頼むことが多いといったところでしょうか。今回の万引き家族で主演家族を演じている安藤サクラさんや松岡茉優さんも同様に今後の是枝監督作品に出演されるかもしれませんね。
是枝裕和監督作品を見るならおススメはどれ?
数多くある是枝監督作品ですが、やはりまず見てほしいと思うのは以下の作品となります。
『そして父になる』
『誰も知らない』
『三度目の殺人』
はい、どれも話題作ばかりです。(笑)
個人的に『三度目の殺人』は最後のモヤモヤ感を払拭するため、タイトルの意味がどんな意味だったのか?を考えてほしいです。そしてぜひ考えた答えを教えてください!!
そして、『ワンダフルライフ』と『DISTANCE』で初期の是枝監督作品と井浦新さんの演技を見てみてほしいと思います。
是枝監督は近年、社会問題や家族問題を軸に人の生き方をテーマとして取り扱うことが多く、その流れは初期からも変わっていません。
初期作品はより人の生き方と内面に触れることが多く、社会面より人をうつすことが多いため、初期の映画も見ていくことで、近年のテーマ性の扱い方に繋がる部分がわかると思います。
また初期の頃から海外での評価が高い是枝監督のルーツを見ることができると思います。
万引き家族は2018年6月4日公開
今回、パルム・ドールを受賞した『万引き家族』
亡くなった親の死亡届を出さずに年金を不正受給していた事件からヒントを得たこの作品も大きな話題となって観る人に考えさせられる作品となっているに違いありません。
6/4から公開となりますので、楽しみにしておきましょう。