「あなたの番です反撃編」がはじまり、横浜流星さん演じる二階堂忍の登場でますます盛り上がりを見せています。

それに伴いTwtterをはじめとしたSNS上でも考察アカウントが一気に増えたり、考察を続けているブロガーやYoutuberがいたりと犯人捜しにも盛り上がりを見せていますよね。

秋元康さんの狙い通りなのかもしれませんが、毎回のように犯人や証拠探しをする状況は見るものを巻き込んだエンターテインメントとしての一面も強く、2019年最大の盛り上がりを見せていると言っても過言ではありません。

「あなたの番です」はミステリー!前提として破ってはならないルールが存在する!

今回、考察という形で盛り上がっている「あなたの番です」ですが、日テレのサイトを見ると「ミステリー」という表記があります。

ミステリーというジャンルは推理小説に代表されるように

事件の犯人がわからないまま、作品中で何らかの証拠や事象が読者や視聴者に提供される事によって物語が進む

という特徴があり、物語が最後に進むにつれて犯人が明らかになるという性質を持っているのはご存知の通りでしょう。

そして、このミステリーというジャンルには一定の破ってはならない暗黙のルールが存在しており、それらを破るとバッシングを受けると言われています。

それが

  1. ノックスの十戒
  2. ヴァン・ダインの二十則

の2つの法則。

大方のミステリーはこの2つの原則を踏襲しており、作中で語られた「モルグ街の殺人」が史上初のミステリーとしてその礎を築いたと言われています。

そんなミステリーの2つの法則とはいったいどんなものでしょうか?

それぞれを詳しく見ていきたいと思います。

ミステリーの前提にあるノックスの十戒

ノックスの十戒とは1928年にロナルド・ノックスが発表した推理小説を書く際のルールです。

日本では江戸川乱歩が「幻影城」の中で紹介しており、現在のミステリーの基礎となっている考え方になります。

  1. 犯人は物語の当初に登場していなければならない
  2. 探偵方法に超自然能力を用いてはならない
  3. 犯行現場に秘密の抜け穴・通路が二つ以上あってはならない
  4. 未発見の毒薬、難解な科学的説明を要する機械を犯行に用いてはならない
  5. 中国人を登場させてはならない
  6. 探偵は、偶然や第六感によって事件を解決してはならない
  7. 変装して登場人物を騙す場合を除き、探偵自身が犯人であってはならない
  8. 探偵は読者に提示していない手がかりによって解決してはならない
  9. サイドキックは自分の判断を全て読者に知らせねばならない
  10. 双子・一人二役は予め読者に知らされなければならない

ヴァン・ダインの二十則

ヴァン・ダインの二十則とは1928年にヴァン・ダインより発表されたノックスの十戒と並ぶ原則の1つです。

ノックスの十戒と同様の内容を示すものも多く、基本的に矛盾している内容がない事から現代まで続く推理小説の基礎となっています。

  1. 事件の謎を解く手がかりは、全て明白に記述されていなくてはならない。
  2. 作中の人物が仕掛けるトリック以外に、作者が読者をペテンにかけるような記述をしてはいけない。
  3. 不必要なラブロマンスを付け加えて知的な物語の展開を混乱させてはいけない。ミステリーの課題は、あくまで犯人を正義の庭に引き出す事であり、恋に悩む男女を結婚の祭壇に導くことではない。
  4. 探偵自身、あるいは捜査員の一人が突然犯人に急変してはいけない。これは恥知らずのペテンである。
  5. 論理的な推理によって犯人を決定しなければならない。偶然や暗合、動機のない自供によって事件を解決してはいけない。
  6. 探偵小説には、必ず探偵役が登場して、その人物の捜査と一貫した推理によって事件を解決しなければならない。
  7. 長編小説には死体が絶対に必要である。殺人より軽い犯罪では読者の興味を持続できない。
  8. 占いや心霊術、読心術などで犯罪の真相を告げてはならない。
  9. 探偵役は一人が望ましい。ひとつの事件に複数の探偵が協力し合って解決するのは推理の脈絡を分断するばかりでなく、読者に対して公平を欠く。それはまるで読者をリレーチームと競争させるようなものである。
  10. 犯人は物語の中で重要な役を演ずる人物でなくてはならない。最後の章でひょっこり登場した人物に罪を着せるのは、その作者の無能を告白するようなものである。
  11. 端役の使用人等を犯人にするのは安易な解決策である。その程度の人物が犯す犯罪ならわざわざ本に書くほどの事はない。
  12. いくつ殺人事件があっても、真の犯人は一人でなければならない。但し端役の共犯者がいてもよい。
  13. 冒険小説やスパイ小説なら構わないが、探偵小説では秘密結社やマフィアなどの組織に属する人物を犯人にしてはいけない。彼らは非合法な組織の保護を受けられるのでアンフェアである。
  14. 殺人の方法と、それを探偵する手段は合理的で、しかも科学的であること。空想科学的であってはいけない。例えば毒殺の場合なら、未知の毒物を使ってはいけない。
  15. 事件の真相を説く手がかりは、最後の章で探偵が犯人を指摘する前に、作者がスポーツマンシップと誠実さをもって、全て読者に提示しておかなければならない。
  16. 余計な情景描写や、脇道に逸れた文学的な饒舌は省くべきである。
  17. プロの犯罪者を犯人にするのは避けること。それらは警察が日ごろ取り扱う仕事である。真に魅力ある犯罪はアマチュアによって行われる。
  18. 事件の結末を事故死や自殺で片付けてはいけない。こんな竜頭蛇尾は読者をペテンにかけるものだ。
  19. 犯罪の動機は個人的なものが良い。国際的な陰謀や政治的な動機はスパイ小説に属する。
  20. 自尊心(プライド)のある作家なら、次のような手法は避けるべきである。これらは既に使い古された陳腐なものである。
  • 犯行現場に残されたタバコの吸殻と、容疑者が吸っているタバコを比べて犯人を決める方法
  • インチキな降霊術で犯人を脅して自供させる
  • 指紋の偽造トリック
  • 替え玉によるアリバイ工作
  • 番犬が吠えなかったので犯人はその犬に馴染みのあるものだったとわかる
  • 双子の替え玉トリック
  • 皮下注射や即死する毒薬の使用
  • 警官が踏み込んだ後での密室殺人
  • 言葉の連想テストで犯人を指摘すること
  • 土壇場で探偵があっさり暗号を解読して、事件の謎を解く方法

「あなたの番です」が2つの法則に則ると犯人から外れるのは誰?

「ノックスの十戒」と「ヴァン・ダインの二十則」の法則に則った時に「あなたの番です」の犯人には誰が該当してくるか当てはめてみました。

まずノックスの十戒にあるルールの1つ

「犯人は物語の当初に登場していなければならない」

というルールに当てはめると物語の途中から出てきた登場人物は犯人にはなりません。

よって、反撃編の初めから出てきた横浜流星さん演じる二階堂忍と1章の途中で出てきた管理人の蓬田蓮太郎は犯人ではない事となります。

この物語の当初というのがどの程度を当初とするのか?という問題がありますが、
物語の当初という事を考えると前管理人が死んだ1話と次の事件が示唆される2話までを
導入部分の当初とできると思います。

あえて登場人物に名を連ねている筧美和子演じる「桜木るり」も2話で出ている事を考えると犯人の候補に含まれていきますね。

そして、番組ホームページにも登場人物紹介があることを考えると、基本的に2話までに出てきた人物の中でホームページに名前がある人物の中に犯人がいることとなります。

反撃編に入り様様な真実が明らかになる一方で
謎が深まってきている「あなたの番です」

犯人が明らかになるのが楽しみですね。

まとめ

「ノックスの十戒」と「ヴァン・ダインの二十則」に則ていると仮定すると犯人が絞られていきます。

ただ、現在出てきている菜奈ちゃん双子説や黒島ちゃん双子説、翔太二重人格説などは「ノックスの十戒」と「ヴァン・ダインの二十則」に当てはめると物語の冒頭で示唆されていない事から使えないことになります。

推理の前提として置いてみると新たな発見があるかもしれませんね。

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